東金線

2004年8月13日に東金線に乗った。以下はそのメモ。

今回は、大変乗り継ぎがよかった。15時25分、東京駅から総武線快速千葉行に乗車。最後尾車両、車番は忘れたがE217系である。紺とクリーム色の車体。16時6分、6番線到着。7番線に渡って、16時12分の成東行に乗車。乗り換え時間6分でちょうど良い。やはり紺とクリーム色の車体だが、こちらは懐かしい。ずいぶんお古である。東京近郊といっても端の方に来ると、こういった車両がまだまだ現役である。先頭車両クハ111-231。運転席の後ろに立って、風景をしかと目に焼き付けようという寸算である。

都賀駅の手前でモノレールが左から右へと渡っていく。ここを過ぎると、一気に田園風景となる。両側に田んぼが広がり、一面の緑だ。

16時21分、四街道着。駅の手前から上り線をまたいで最も右側のホームに入った。0番線。5分停車。特急しおさい9号が抜いていく。向かい側のホームには銚子から千葉への普通電車が入ってきて、16時24分発。こちらは16時26分発。上り電車をやり過ごして、また上り線を平面交差し、下り線に入る。16時34分、佐倉着。やはり、上り線を交差して、待避となる。6分停車。特急成田エクスプレス31号が抜いていく。16時34分には、成田空港と鹿島神宮からの久里浜行電車が入線、そして出発していった。成田空港へ行く列車とは、ここから違う路線になるわけで、何も待ち合わせなどせず、自分のレールを進み始めればよいのにと思うのだが、佐倉駅を過ぎても少々は共用区間があるようであった。

佐倉からは単線。田園地帯を右にゆるくカーブしていく。架線を吊るすための電柱が右に左にと入れ替わる。成東までは5駅。南酒々井、榎戸、八街、日向、成東のどの駅も2線以上あり、行き違いができるようになっていた。そのうちの駅のひとつで、車掌が、「やっちまったー」とアナウンスをしていた。「八街」は「やちまた」と読むようである。成東には17時6分、1番線到着。

実を言うと、八日市場回りの総武本線成田線本線)も未乗区間であった。今回はその一部21.6kmに乗れたことになる。せっかくここまで来たのだから銚子の手前、松岸まで残る40.4kmを乗って一気に未乗区間を片付けてしまえという気にもなるが、そうはいかない。東京近郊区間は成東までで、一筆書ききっぷをするならここから東金線に入らなければならない。そして、それを後押しするように、ここでもまた、乗り継ぎが大変良いのである。降りたホーム向かい側、0番線から大網行が、17時9分発で連絡。0番線は駅舎の手前でレールが終わり、まさにローカル線の雰囲気である。

さて、今日の本命の東金線である。やはり先頭車両の運転室後ろに立って陣取る。クハ111-1327。東金線もやはり変わらぬ田園風景である。千葉県だから海が見えるかななどとかすかな期待をするのだけれど、家に帰って調べたところによると、海岸線と並行するものの、海まで10kmはあるのであった。

次駅求名に滑り込むと、大きながま口を首から下げた係員がホームに立っているのが見えた。やはり列車に乗り込むのであろうか。それとも無人駅の風情ではあるが、ホームで料金の回収にあたっている人なのだろうか。列車が発車してからも落ち着かない。車掌に代わって検札に来たら、きっぷの説明をするのはかなり面倒くさい。「東京近郊区間の特例を使った人筆書ききっぷでして…」と言って通じればそれでよいが、130円の初乗り切符を胡散臭げににらまれて押し問答の末に駅事務室へと連行されたら、もう見もふたもない。駅事務室まで行けば、きっと規則に詳しい駅員さんもいようと思うが、案外それは買い被りであって、警察に突き出されたら、こんな遊びをしている自分が悪いのであって後悔してもしきれないだろう。結局、終点大網に至るまで検札はこなかったのだが、気分の悪い時間を過ごした。

次駅東金では上下線の列車がすれ違い。その次の駅は福俵という。縁起の良さそうな駅名だ。前方に広がるのは、相変わらず田園風景。夕暮れの時間に差し掛かったゆえ、まだ収穫には早いはずの稲穂が陽の光を受けて黄金に輝いていた。福俵の駅を出て、2〜3分もすると、単線だった線路からポイントがどんどん分岐して操車場の景色になる。好きな風景だ。左方向には、外房線への渡り線でもあったのだろうか、線路跡のように緑のくさむらが伸びていた。

17時28分、大網、3番線到着。3番線はホームの端でレールが終わる。レールの端から端まで乗ったのは、なかなか情緒があるものだ。島式ホームの向かい側4番線は外房線千葉方面へとレールが続いている。これで、13.8kmの東金線は完乗となった。

大網駅外房線東金線のホームでは、50mほど離れている。東金線は土手の上、外房線は高架橋の上で、階段を降りて上って1番線から、17時32分発の千葉行普通電車を待つ。定刻発車。先頭車両に乗車。クハ111-1357。17時51分、蘇我着。小腹がすいてきたとキオスクで120円のバームクーヘンを買い、17時58分の京葉線東京行快速で帰路についた。東京駅の手前で下車すれば今日の人筆書きは完成する。青とクリームの車両ばかり乗り継いだ一日だったが、赤い車両。先頭車両でクハ204-11であった。

途中、昨日立ち寄った南船橋の駅に停車した。こういうのは一度ですますのが効率的だけれど、まぁ、こちらも都合とか事情とか、そういう類のもので行動しているし、ここらへんの未乗区間は一挙に片付けようとプランニングしたこともあったけれど、どこかで重複を許容しなければならず、結局、ベストのものができないのであれば、一転、非効率を許容するのも、また潔いと思い定めたのであった。