仙山線

2004年4月6日と7日に仙山線に乗っている。以下はそのメモである。

仙山線は、その名のとおり、仙台と山形を結ぶが、「戸籍」としては、仙台駅から山形のひとつ手前、羽前千歳駅までの58.0kmとなる。交流電化発祥の地として著名である。また、県庁所在地同士を結ぶ路線でありながら、全線が仙台市内と山形市内に収まっているというのも特徴的である。

4月6日には仙台〜山寺間を、7日には北仙台〜山形間を乗車している。全線を通して乗ったことはないが、つなぎあわせて、完乗である。

4月6日は、仙台市内で目覚めて、9時22分、あおば通駅から仙台。仙石線を1区間だけ。204系電車である。東北唯一の直流線区らしい。車内の広告スペースが全部サイボーグ009であった。沿線に石ノ森萬画館があるという縁だろう。

9時39分、仙台発の快速仙山3号に6番線から乗車。719系電車である。フロントフェイスは211系そっくりで、東京近郊を走っていてもおかしくはないが、脇へまわると、ドアが3枚だったりと違いがある。ドアの枚数が少ないのは、駅間が長いとか、通勤ラッシュが激しくないゆえか。床は上げ底。ヒーターが仕込まれているのだろう。東北地方はやはり、寒いと見える。

西仙台ハイランドという駅がある。近くにある遊園地が駅名の由来だが、近くとはいえ3kmほどある。電話をすると無料送迎バスが来るという。土休日と夏休みの期間中のみの開業の臨時駅であるが、以前はしばらく冬期休業となっていた。やはり、寒さゆえだろう。次の次、八ツ森も臨時駅。どちらも1面1線の小さい駅だ。冬になると雪で埋もれそうだ。

ここらへんまでくると、この山奥、単線とはいえ、よく敷設したものだと感心する。4月というのに、周囲には雪がまだ残っている。全長5,351mの面白山トンネルを抜けると、山形市である。10時32分、山寺駅、2番線到着。山寺駅にはラッセル車が留置してあった。

川を渡り、200〜300mほど歩く。門前町はお土産屋が多数で、意外に栄えている。拝観料は300円。なんと描写すればいいのか、木立に囲まれた参道沿いにお堂がいくつも、いくつもある。そういう寺である。ここへ来て初めて知った。芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」はここで詠まれたそうだ。今では、JRの広告で"how silent! the cicada's voice soaks into the rocks"なんてやっている。

奥の院までは30分。少し下った見晴台で休憩。山の上からは駅が見え、仙台方面への列車が見えた。もう少し下ると、テレビの撮影中であった。腰掛けた老夫婦が、関西弁の司会者に答えている。「なんで83…4か、4にもなって、この依頼をしようと思ったの?」 かみ合わない答えをする男性老人に、「ボクの質問はどこへ行っちゃったの。」と笑っていた。

一緒の電車に輪行のひとが乗っていたのだが、山でも、山をおりてもまた会った。

山寺駅では、駅員さんが休憩中。おそらく1人で切り盛りしているのであろう、改札口にひとがおらず、みどりの窓口も閉まっている。開くのを待って、山寺のオレンジカードを1枚買った。

この日は、1時間半ほどで山寺を辞し、北仙台に戻った。

4月7日、10時30分、北仙台1番線から719系。10時50分、愛子駅、3番線到着。愛子で降りることになったのは、この電車が愛子止まりだからである。北仙台で1本遅らせてもよかったのだが、この愛子という駅、皇太子夫妻に女児が誕生した際に有名になった駅である。どんなもんだろうと駅舎を出て眺めてみるのだが、何の変哲もない、仙台市の郊外である。駅舎にもパネル展示のひとつもない。駅の売店を見ても、また然り。ご皇室ネタでの商売はご法度と見える。変わったものといえば、「愛子の愛」なるキーホルダーとストラップがあるのみであった。

11時12分、愛子駅1番線から快速仙山5号、乗車。羽前千歳には停車しないが、11時50分頃、通過した模様。12時1分山形駅、7番線到着。この後は、蔵王観光をしたのだが、スキーシーズンには遅く、トレッキングにはまだ早く、中途半端であった。600円出して、温泉だけ入って、山形に戻り、山形市内泊。