左沢線

2005年4月8日に左沢線に完乗している。以下はそのメモである。

左沢線は北山形〜左沢間の24.9kmの地方交通線である。愛称はフルーツライン左沢線といい、青地に白く"FRUIT LINER"と描かれた気動車山形駅まで乗り入れている。

前日、私は、東京から仙台に行くのに、奥羽本線山形線)を経由した。福島での乗り継ぎは、新幹線つばさ号なら直通だが、在来線は不便なダイヤになっている。本数が少ない。特急に乗らせんかな、という設定である。それでも、JR北海道&東日本パスで乗りたい。

上野発5:10の一番列車で北上を始めて、福島に着いたのは10:08であった。奥羽本線の電車は13:22まで、ない。こういう場合、乗り継ぎと考えるから時間が無駄に思えるのであって、小観光を楽しめばよい。

福島交通飯坂線で、終点飯坂温泉まで行くことにする。福島交通の福島駅は、阿武隈急行と共用である。島式ホームの両側に福島交通阿武隈急行の車両が並んで止まっていると、地方私鉄のバラエティを感じておもしろい。

福島交通の車両は、7000系。昔、東急線を走っていたそれである。2両編成に縮められているところが、小振りでかわいらしい。運転席のすぐ後ろに立って、前方を見る。

阿武隈急行線の方は、すぐに東北本線に合流してしまった。飯坂線は、しばらくは、東北本線と並走する。バラストの色が違い、レールの輝きも違う。こまめに設けられた駅をコトコトとつなぐ。2駅目、「美術館図書館前」なんていう駅名はローカル線のさまをうかがわせる。

運転士のほかに車掌が乗っているのは無人駅が多いからだろうが、ドアの開閉は運転士が行っていた。ドアの開閉のたびに、車両後方を見るのだが、運転席後ろに立っている私と視線がぶつかって、申し訳なくなってきた。停車すると、立ち位置を変える私。

飯坂線は単線。交換駅の前後にはポイントがあるが、スプリングポイントというやつだろうか。江ノ電と、どこであったかの路面電車で見たことがある。

飯坂駅に着く。看板を見て、観光地図をもらって、鯖湖湯という、新しく改装された共同浴場を目指す。果たして、臨時休業であった。

他にすることもなく、おとなしく引き返す。それでも時間があまるからと、医王寺駅で下車。医王寺という寺があって、そこが観光名所になっているそうだ。看板はあまり出ておらず、道順に不安になりながら、徒歩で約2km。ようやくみつけた。

券の売り場で宗派を確認して、入る。真言宗だそうだ。建物と並木と石碑と宝物殿。大河ドラマ義経」の舞台のひとつだというが、テレビを見ないので、知らない。戻る。

ふたたび、医王寺駅。最初に福島から乗った電車の車掌さんであった。私は検札されなかった。

この日の乗車券は、一日券だった。700円だったと思う。福島〜飯坂温泉を往復すると720円であるから、おとくである。しかし、800円だかで、記念乗車券が売られていたのを、その後、知った。そっちの方がよかったなぁ。